巣鴨聖泉キリスト教会

施主とその場所が持つ思想を体現するため

シンプルで心落ち着く空間を創造。

プロテスタント系のこの教会には、十字架や祭壇などの、教会を思わせる要素がなにもない。集う人々が、自然に、穏やかに、考え、話し、心を安らげる場所創りがテーマだ。表通りから、数段階の空間的なヒエラルキーを経て、会堂に至り、人々は静粛に、心を落ち着かせて、牧師さんの説話に聞き入る。

ミサのあと、人々は、大きな引き戸を開き、牧師館の居間と一体になった大空間で、お菓子とお茶を頂く。心休まる楽しいひとときだ。

設計期間中に何度か行った教会員の人たちへの設計説明会で、私は、彼らの計り知れない穏やかさに触れることができた。その経験から得たことから、設計すべき空間の目標を見出すことができた。

真理を見出そうとするものにのみ真理は自らを明らかにする。会堂の空間の真理を顕わにしなければならない。コンクリートの真理を顕わにしなければならない。音の真理を顕わにしなければならない。集いの真理を顕わにしなければならない。

素材の真理を引き出すことと、そこに集う人々の真理を引き出すことは無関係ではない。素材はうそを付かない。語りかける者に対して、素材はその真理を明らかにする。

所在地

主要用途

建築設計

構造設計

設備設計

建築施工

工事種別

構造規模

敷地面積

延床面積

竣工

東京都豊島区巣鴨

教会、住居

株式会社アカデメイア

㈲CRS構造設計研究所

有限会社館設備設計事務所

株式会社アタラシ

新築

RC造　地上2階

180㎡

180㎡

2001年11月

写真撮影 齋部　功

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